WALKS OF LIFE - Maiko Kurata - Vol.1
Canada, Vancouver でトレーニングトレーナーとして活動後、長きに渡りヨガを国内外で指導、数多くのスタジオやイベントで活躍するMaiko Kurata 氏の自身が考える「ヨガ」とは?、またサーフィンや自然とヨガとの親和性について話を伺った。【前編】
Vol.1
『ヨガとサーフィンの親和性』
・様々な活動を通してヨガを広められているMaiko さんですが、ご自身はいつ頃から?
どういったきっかけでヨガを始められたのですか?
Maiko Kurata :(以下Maiko)
そもそもの事で言うと、昔から体を動かすのがすごく好きなんですね。
私は演劇の専門学校に行ったんですけど、その頃からクラスでストレッチやったりとか、ダンスの授業があったりして、体を動かす事に興味があって。
ヨガじゃないけど、自分で体を動かすって事をずっとやってたんですね。
ヨガを始めたのは2005 年なんですが、世の中はまだそんなにヨガって一般的ではなく、そこまで気軽にヨガが出来るわけじゃなかったんですけど、当時ルルレモンのスタッフとして働いたのがきっかけで。
いわゆる現代日本のヨガ第一世代という段階でヨガに出会うんですけど、それを自分の中でちゃんとライフワークという形で深めようと思ったのは2007年にバンクーバーに行ってからですね。
元々、カナダは2001 年にワーキングホリデーで行って以来、何度も行ったり来たりしてたんですけど、もっと長期滞在したいと思いバンクーバーに行ったんです。
最初は英語力を上げたいとか、環境学とかアウトドアの事を勉強しようと思って行ったんですけど、いろんな流れの中で今のベースを作ってくれたスタジオ(SempervivaYoga Studio)と出会い、10 ヶ月ぐらいヨガしかしてない生活をしたんですよ。
よくサーフィンする人がサーフトリップに何ヶ月も行きますって言って、サーフィンしかしない生活をするじゃないですか。まさにそれのヨガバージョンですね。
好きで好きでしょうがないからただただ毎日ヨガやってるみたいな。(笑)
自分の中のヨガ人生が始まったのはその時ですね。
・当時のMaiko さんにとってバシッとハマったという感じですか?
Maiko:
そうそう、まさにそれです。
ヨガをやってる人達って「ヨガを始めて人生変わりました。」ってパターンが結構多いんですけど、私の場合はどちらかというと、自分に合ってるものにやっと出会えたというか。
ヨガの概念もだし、自分の中で周りに発信したいと思っていた事が完全にヨガと合致したという感じですかね。
今の時代だと ” ヨガのインストラクター = 資格” みたいな感じになってると思うんですけど、私がヨガの先生という職業になったのも、元々そういう概念はなくて、ほんと好きだからずっとやっていて、ただそれを今もやってるだけって感じだし。
サーフィンやスノーボードもそうだと思うんですけど、簡単じゃない事って続くじゃないですか。壁があればあるほど続くじゃないですけど。
私の場合は、技術でヨガのポーズをとるという事よりも、思考というか精神面も含めて、自分自身の自己成長がすごく面白くて、次へ次へって続いていったんですね。
ドアを開けたら次のドアがあって、また次のドアが出てきてって感じで。。。
・本国のALMOND もそうですが、近年トップクラスのライダーを始め、サーフィン界でもヨガを取り入れている人が多いです。ヨガとサーフィンにはどこか精通する部分があるのでしょうか?
Maiko:
サーフィンでいうと、ジェリー・ロペスがヨガをやっているっていうのが、ヨガ業界ではすごく有名なことなんですよ。多分それがきっかけでヨガを取り入れた人も多いと思うんです。
私自身サーフィンは2 回だけやった事があってコテンパンだったんですけど。(笑)
私の周りでも、ヨガをやってる人やヨガ関係の人がサーフィンを始めるケースがすごく多いです。
私のイメージでいうと、体幹が鍛えられて軸がぶれなくなるだったり、脚力・バランス力が鍛えられたり、パドリングする際の腕の可動域とか柔軟性、呼吸もそうだし、まずは単純にフィジカルな部分で役立つっていう事がたくさんあると思うんですね。
加えてマインドの部分で、恐怖心の手放しだったり、集中力とか過去の経験にとらわれないイメージ力を身につける効果がすごく大きいと思います。
人間って過去の自分の経験を描いてしまう生き物らしいんですよ。過去これで失敗したとか、これで負けたとか、これでやられたっていう経験が邪念として出てきて、その瞬間にそっちに引っ張られちゃうみたいな。
サーフィンって毎回違う波に向かわなければいけないと思うんですけど、そういう時って意外と過去の経験が出てきちゃうのかなって。
ヨガって ” Be present”「 今この瞬間に意識を向けましょう」っていう考え方がすごくあるので、前の失敗したイメージを描かなくなるんです。
私自身はスノーボードがそうなんですけど、ヨガを始めてから今のこの瞬間に集中するという事ですごく滑りやすくなったし、ゴルフやキックボクシングをやっている方で、ヨガを取り入れてスコアが伸びたっていう人達も見てきました。
過去の自分の絵じゃなくて、自分が今にいれるという "Be present” の意識がスポーツ全般的にすごく効果があるのかもしれませんね。
あとはサーフィンする方達って、自分が海で何かするからってのもあるのかもしれないけど、ビーチクリーンしたりとか自然への意識の高さってあるじゃないですか。
私はヨガってフィジカルやメンタルだけじゃなくて、衣・食・住全部がヨガだと思っていて、自然に対してのリスペクトもそうだし、地球の事を考えるのもそうだし、何かに対して優しくするのもヨガだし。
そういった意識の持ち方というのが、自然の中で過ごしている人達はヨガをしている人とより近い部分があるのかなという気がしますね。
・海や山、アウトドアでのフェスなどに参加される事も多いですが、自然とヨガとの関係性、またMaiko さんがそうした野外イベントに参加して感じる事はありますか?
Maiko:
自然の中でやる事の良さは、当たり前なんですけど、室内でやるより空気が美味しいじゃないですか。
自然とのつながりを感じられるというのもそうだし、視界に入ってくるものとか音で五感が上がるので、それがプラスアルファ一つの要素となって、単純にスタジオでやるよりも一段階気持ち良さが上がると思います。
ヨガってどうしてもポーズに目が行ってしまいがちですが、一番重要なのって呼吸なので、それが一番体感出来るんですね。
風もそうだし波もそうだし、要らない物を浄化してくれる作用がすごくあるから、それもプラスの効果になる気がしますね。
スタジオの中でやるヨガだと、このポーズが出来なきゃいけないとか、結局コンペティションみたいになってしまいがちなんですけど、原点に返ると
「あぁ、呼吸して気持ちいいな」っていうのを味わえれば良いだけのものなんですよ。
それが自然の中だと、基本的なことが体感出来る。
自然の中で呼吸して気持ち良いなってなると、それはヨガを体験出来てるって事だし、ただ外で気持ちよく体を動かそうよってだけの事だから。
何も頑張らなくて良いし、カラダが喜ぶ事だけで良いんですよね。
Maiko Kurata
2001 年に渡加、それをきっかけに日本とカナダを行き来する中でヨガに出会う。
バンクーバー” Semperviva Yoga Studio にて500H Teacher training を修了、同スタジオにてトレーニングトレーナーとして活動。
2012 年より拠点を日本に移し、インストラクター養成にも多く携わる。
自身の師であるGloria Latham の通訳&Co-teacher としてカナダ、ギリシャ、バリなど国内外のトレーニング、ワークショップに参加、『Kundaliniawakening yoga』を日本で指導している第一人者。
現在 DJ Satoshi Miya 共に“ヨガと音楽” のコラボクラスを軸にヨガイベント、音楽フェスなどにも多数参加。
プロジェクト"YOGA FOR EVERY BODY” を通じて『誰もが楽しめるYOGA、自分らしく生きていく事の素晴らしさ』をシェアしている。
・Semperviva Yoga College 500H Teacher Training 修了
・Gloria Latham 200H Kundalini Teacher Training 修了
・Seane Corn Vinyasa Teacher Training 修了
・Max Strom Intensive Teacher Training 修了
・Bernie Clark Yin yoga Teacher Training 修了
Vol.2
『Maiko さん自身が考えるヨガとは?』